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サーローさん映画 反響呼ぶ 4月から全国各地で公開

 カナダに住む被爆者サーロー節子さん(89)の歩みを追った映画「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」の観客動員数が、現在公開中の八丁座(広島市中区)で15日までに千人を突破した。予想を大きく上回る反響だといい、全国各地での公開も決まった。

 13歳の時に広島で被爆した体験や、反核運動の苦難、核兵器禁止条約の実現に奔走した半生を紹介する82分作品。被爆2世で南区出身の竹内道さん(65)=米ニューヨーク=がプロデューサーを務めた。

 条約が発効した1月22日に上映を開始。2月4日までの予定を18日に延長し、1日1回上映している。満席になり一部の来館者が入場できない日もある。八丁座を運営する序破急の蔵本健太郎支配人(43)は「新型コロナウイルス禍に、ドキュメンタリー作品で短期間に千人を超えるとは。驚いている」。好評のため、時期は未定だが再上映する方針を急きょ打ち出した。

 サーローさんの旧友や、反核を貫く生き方に共感する人たちでつくる上映実行委員会がチラシを配布し映画をアピールしている。封切り当初はサーローさんと近い世代の女性が多かったものの、若者や親子連れ、孫を連れた高齢者が増えるなど観客は多様になっているという。

 4月から東京、札幌や大阪、福岡などでも順次上映される。サーローさんは「私の人生を知った人たちが『人権や命の尊厳が守られる社会を実現するため自分も行動しよう』と思ってくれればうれしい」と話している。(新山京子)

(2021年2月16日朝刊掲載)

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