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露、核威嚇の指摘に反論 各国非難受け「正しくない」

 広島市で10日始まった国際賢人会議で、ロシアによるウクライナへの核の威嚇を非難した岸田文雄首相たちのメッセージに対し、ロシアの委員が「正しくない」と反発する場面があった。国際社会の分断を浮き彫りにし、会議の見通しの険しさをうかがわせた。

 異を唱えたのはロシア・エネルギー安全保障研究センター所長のアントン・フロプコフ氏。首相やオーストラリアのアルバニージー首相が核威嚇を「断じて受け入れられない」などとした発言を自己紹介時に取り上げ、「正しくない。とりわけロシアが核の威嚇をウクライナに行っているという点だ」と述べた。

 前身の賢人会議からメンバーを務め、この日の被爆者や若者との意見交換では被爆地訪問の意義を強調した。終了後の中国新聞の取材には「回答する立場にない」と話した。

 座長で熊本県立大の白石隆理事長は報道陣に、立場の異なる委員が議論することに意義があると強調。「(岸田首相らの発言が)一方的な見方だという意味だと思うが、それぐらいの発言は予想していた。驚きでも何でもなかった」と振り返った。(樋口浩二、小林可奈)

(2022年12月11日朝刊掲載)

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