中国・長崎・朝日3社合同 被爆者アンケート【解説】想像力働かせ 声受け止めねば
25年7月6日
全国被爆者アンケートからは、核兵器廃絶の道筋が見えないどころか、実現が遠のく現状への焦りや危機感がにじんだ。語れども、記憶の継承は難しさを増すばかり。日本政府は核抑止にすがり、核兵器禁止条約に背を向ける。もはや生きているうちに悲願がかなうとは思えない―。データがそんな心情をあぶり出す。
しかし諦めるわけにはいかない、ということだろう。3564人もの被爆者が回答を寄せてくれたのが、その証しだ。「今こそ伝えておかねば」と、アンケートを配り歩いてくれた被爆者団体のメンバー。告知記事を読み、自ら用紙を取り寄せた読者。「命あるうちに」と初めて体験を明かした人も少なくない。
あの日を境にどんな苦難を強いられてきたのか。今、何を思うのか。人類初の惨禍の被害者がつづってくれた反戦・反核の訴えには、とてつもない重みと説得力がある。
彼らに「伝わっていない」と思わせるようでは、核兵器も戦争もない世界への歩みはおぼつかない。現に国際情勢も緊迫の度を増している。私たちも今こそ、被爆者の切なる声を真に受け止めねばならない。想像力と共感力を働かせながら。(田中美千子)
◇
アンケートに寄せられた声を見つめ、データとともに伝える連載を7日から始めます。
(2025年7月6日朝刊掲載)
中国・長崎・朝日3社合同 被爆者アンケート 体験「伝わっている」半数切る 3564人回答 継承に危機感
デジタルコンテンツ「つむぐ」公開 中国・長崎・朝日3社合同 被爆者アンケート
被爆80年 託す想い 3564人の声から 中国新聞・長崎新聞・朝日新聞合同アンケート
しかし諦めるわけにはいかない、ということだろう。3564人もの被爆者が回答を寄せてくれたのが、その証しだ。「今こそ伝えておかねば」と、アンケートを配り歩いてくれた被爆者団体のメンバー。告知記事を読み、自ら用紙を取り寄せた読者。「命あるうちに」と初めて体験を明かした人も少なくない。
あの日を境にどんな苦難を強いられてきたのか。今、何を思うのか。人類初の惨禍の被害者がつづってくれた反戦・反核の訴えには、とてつもない重みと説得力がある。
彼らに「伝わっていない」と思わせるようでは、核兵器も戦争もない世界への歩みはおぼつかない。現に国際情勢も緊迫の度を増している。私たちも今こそ、被爆者の切なる声を真に受け止めねばならない。想像力と共感力を働かせながら。(田中美千子)
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アンケートに寄せられた声を見つめ、データとともに伝える連載を7日から始めます。
(2025年7月6日朝刊掲載)
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