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米兵捕虜調査の森さんに謝意 大使が面会「勇気ある行動」

 米国のエマニュエル駐日大使は26日の平和記念公園(広島市中区)訪問に先立ち、被爆死した米兵捕虜の調査を長年続けてきた被爆者の森重昭さん(84)=写真、西区=と面会した。米兵の被爆死の事実を掘り起こし、遺族と交流する森さんの活動について、感謝の意を伝えたという。

 森さんによると、正午すぎから約1時間、市内の料理店で大使夫妻と森さん夫妻で昼食を共にした。森さんは通訳を介し、会社勤めの傍ら被爆米兵について調べ、捜し出した遺族に伝えるなどしてきた活動を説明。米兵が捕虜となる前に乗っていた墜落機の破片も大使に手渡した。

 森さんは「かつて敵国だった米兵の被爆死を悲劇の象徴と考え、力を尽くしてきた。大使に『事実が永久に葬り去られなかったのはあなたのおかげだ』と評価してもらえ、ありがたかった」と振り返った。

 大使は面会後、ツイッターを更新。「自らの気持ちを表す言葉がなかなか見つかりません。森さん、あなたの勇気ある行動に感謝いたします」と記した。森さんは2016年5月、広島を訪れた当時のオバマ米大統領と面会して抱擁を交わし、米国でも注目を集めた。(明知隼二)

(2022年3月27日朝刊掲載)

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