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岸田派「正真正銘の勝利」/石破派「党員意向反映を」中国地方選出議員

 自民党の新総裁に岸田文雄氏(広島1区)が決まった29日、中国地方選出の議員はそれぞれの立ち位置で歓喜と落胆の表情を見せ、政策の実現や説明責任を果たす政治を求めた。

 岸田派議員からは喜びと期待の声が相次ぐ。寺田稔氏(広島5区)は1回目の投票でトップに立ったことに触れ「正真正銘の勝利だ」と強調。宮沢洋一氏(参院広島)は「新型コロナウイルス対策、外交、新しい資本主義はどの政策も練り上げられていた」とたたえた。陣営の広報戦略を担った小林史明氏(広島7区)は「対話を大切にし、熱心な姿勢を示した」と振り返った。

 主要派閥が事実上の自主投票となる中、岸田氏は派閥の枠を超えた支持を集めた。最大派閥細田派の細田博之会長(島根1区)は「外交にしても経済にしても頑張ってもらいたい」。旧竹下派の平口洋氏(広島2区)は「順当な結果だ。4候補の中で政策、人柄、真面目さは一番だ」と受け止める。

 谷垣グループの逢沢一郎氏(岡山1区)は2019年参院選広島選挙区を巡る1億5千万円問題を挙げ「国民の疑問に答えないといけない。党の体質改善を、ばしっとやってほしい」。

 岸田総裁の誕生は、二階派で現職の河村建夫元官房長官と、参院から転出する岸田派の林芳正元文部科学相が対決する衆院選山口3区に波紋を広げる。河村氏は「影響は心配していない。公平な党運営をしていただけると期待したい」と語ったが、山口県での党員・党友票1位は岸田氏で、林氏は笑みを浮かべた。

 河野太郎行政改革担当相を支持した石破派議員は一様に厳しい表情だった。石破茂氏(鳥取1区)は、河野氏が党員・党友票でトップながら、議員票が伸び悩んだ点に触れ「暮らしに苦しむ人と国会議員の実感に差があるのかも。党員の意向がもっと反映できる仕組みを岸田総裁の下でつくるべきだ」と求めた。

 連立政権を組む公明党の斉藤鉄夫副代表(比例中国)は「友党としてしっかり支えたい」と歓迎する。

 被爆地広島選出の総裁として核兵器禁止条約への向き合い方も問われる。立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は「条約締約国会議にオブザーバー参加して核廃絶を前進させてほしい」と望んだ。(境信重、桑原正敏、田中美千子、中橋一誠)

(2021年9月30日朝刊掲載)

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