ニュース

　自民党の岸田文雄新総裁が地元広島に向けて胸を張る政治実績がある。２０１６年、現職米大統領では初となるオバマ氏の被爆地訪問に尽力したことだ。第２次安倍政権の外相として米中枢と粘り強く交渉。当時の駐日大使だったキャロライン・ケネディ氏と馬が合ったのも大きかった。

　政界でも指折りの酒豪とされる。語り草なのはロシアのラブロフ外相との会談だ。喉が焼けそうなほど強いウオッカをワーキングディナーで出されても、平気な顔で酒杯を重ねた。「向こうが途中で白ワインを頼んだので、俺の勝ちということだな」と振り返る。

　その分、ダンベルで日々鍛錬するなど「健康にも注意している」。６４歳にしてはスリムな体を包むのは、なじみの広島市内の洋服店で仕立てたスーツだ。東京生まれながら、旧広島１区の衆院議員だった父文武氏の秘書となった１９８７年から広島に根を張る。

　衆院議員会館の事務所には必勝祈願の大しゃもじとともに広島東洋カープのレプリカユニホームを飾る。１９７５年の初優勝を後楽園球場で見届け、自らも開成高（東京）で白球を追った。

　東京・赤坂の議員宿舎で息子２人と同居。若者に人気の音楽を教えてもらい、人気漫画「鬼滅の刃（やいば）」も全巻読破した。ニックネームは少年時代から「キッシー」。総裁選中にインターネット上で生まれた「ふみきゅん」もお気に入りだという。（下久保聖司）

（２０２１年９月３０日朝刊掲載）

自民新総裁　岸田氏　４日　首相指名へ　決選で河野氏破る　広島選出

核兵器廃絶「存在感を」　広島　被爆者ら期待・注文

広島知事　透明性高い政治基盤に　広島市長　ヒロシマの心を中心に

岸田派「正真正銘の勝利」／石破派「党員意向反映を」中国地方選出議員

社説　自民新総裁に岸田氏　政権不信　拭い去れるか