向き合う 若者と被爆者  あの日継承へ


 米国の原爆投下、日本の敗戦から間もなく六十年を迎える。

 被爆者たちは、あの体験を二度と繰り返してはならないと、世界平和と核兵器廃絶を訴えてきた。しかし地球を幾たびも死滅させるだけの核兵器が現に存在し続ける。

 一方、忌まわしい記憶を封印したまま暮らす被爆者がいかに多いかも、私たちは知っている。

 その被爆者に、老いが忍び寄る。

 私たちは「あの日」の体験をきちんと受け止めただろうか。被爆者の記憶を語り継いでいくことができるだろうか。原爆をその威力としてではなく、人間にもたらした悲惨さとして、将来に伝えられるだろうか。

 次代を担う若者たちが、半世紀ほどの年齢差を超えて被爆者に向き合う。その半生を聞く。被爆者が発する「未来への伝言」に耳を傾ける。そんな対話を、これから始める。


 1.グラウンド・ゼロ - 炸裂の瞬間 消えた町 ●爆心地復元プロジェクト(04.11.28)
 2.電車内で - 血染めの服…40度の高熱 (04.12.05)
 3.似 島 - 墓標の地 掘り起こす記憶 (04.12.12)
 4.遺髪と腕時計 - 残すも託すも 家族の証し (04.12.19)
 5.原爆病院 - 修羅場 水をあげるしか… (04.12.26)
 6.あの日 - 癒えぬ痛み「後がない」 (05.01.01)
 7.母として - 娘は…燃えさかる街歩く (05.01.09)
 8.セミパラの子へ - 右腕と3歳の息子奪われた (05.01.16)
 9.建物疎開 - 道路一本挟み生き残る  ●防火帯つくる建物疎開作業  (05.01.23)
10.よっちゃん - 写真の弟に止まらぬ涙 (05.01.30)
11.壁の言づて - 悲しみや悔恨 今も息づく (05.02.06)
12.ああアメリカ - 心の傷抱え 海を渡った  (05.02.13)
13.海峡に揺れて - 38年後に得た被爆者手帳 (05.02.20)
14.命の教え - 平和教育とは…悩み深く (05.02.27)
15.絵筆の思い - 「世界の人よ 考えてくれ」 (05.03.06)
16.出発のうた - 「生き延びた意味 奏でて」 (05.03.13)
17.第一報 - 女学生が発した「全滅です」 (05.03.20)
18.素顔の12歳 - 快活に映った病室のサダコ (05.03.27)
19.「原爆一号」とともに - さらした背中 核をのろう (05.04.03)
20.日本に在りて - 平和の原点 優しさ伝える (05.04.10)
21.エノラ・ゲイ - 輝く展示機体 震え泣いた (05.04.17)
22.恐怖の放射線 - 若い医学生 手だてなく (05.04.24)
23.一番電車 - 惨状 前だけ見て運転した (05.05.01)
24.目撃者 - ファインダー越し苦悶の顔 (05.05.08)
25.胎内の記憶 - 父の遺品を手に証言始めた (05.0515)
26.加害と被害 - 銃撃戦と被爆を生き残る (05.05.22)
27.スイバのころ - 集団疎開先 忘られぬ味 (05.05.29)
28.孤児と笑顔と - 境遇同じ 番組が縁で結婚 (05.06.05)
29.小頭症 - 姉弟、一緒に生きてきた (05.06.12)
30.孫よ - 封印しかけた手記渡す  ●継承の在り方 新たな試み  (05.06.19)



◆担当記者3人が振り返る



 

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