＜特集＞
プロ夜明け　名前刻む (06.3.21)
　・現在　スクールカラー赤に愛着
　・母校　ユタ大から４１人プロへ
　・ＮＢＡ　第二次世界大戦後に産声

猛者集う夢舞台へ (06.5.16)
　・マジック／ジョーダン／ブライアント…
　・米国以外の選手台頭

バスケットボール起源

サッカーボールと二つの古い桃かご。米国マサチューセッツ州スプリングフィールドの小さな体育室で、バスケットボールは誕生した。九人対九人。十三のルールで始まった。 　十九世紀末、屋内で体を動かすことと言えば、体操を指した。スプリングフィールドにある国際ＹＭＣＡトレーニングスクールは雪に覆われる。冬は体育の授業に頭を痛めていた。 　教官たちに「新しいゲーム」の創案が命じられた。三十歳のジェームス・ネイスミスはアメリカンフットボールやサッカーなど屋外球技を改良。けが人が続出し、窓ガラスも割れた。 　「ボールを持って歩けなければラフプレーを避けられるんじゃないか」。幼いころ遊んだ石の的当て遊び「雄カモ落とし」からひらめいた。「水平面のゴールを頭上に設置する」。ふわりと弧を描くシュートは屋内競技に持ってこいだった。 　一八九一年十二月二十一日、桃かごを高さ十フィート（三メートル五センチ）にあったバルコニーにくぎで打ち付けた。この高さは今も変わらない。学生を二チームに分けて約一時間。入ったシュートは、わずか一本だったという。